野球人生を脅かす「イップス」とは何が原因で起こるのか?

コンディショニング

この記事は、イップスって聞いたことあるけど具体的にはよく知らない人、そしてイップスに悩んでいる人向けに書いた記事です。

 

イップスは、とくにスポーツに真剣に向き合う時期に起こりやすいもの。

小学生よりも中学生、中学生よりも高校生に発症する人が多いです。

もちろん小学生でも、自我の発達が早い子はイップスになる可能性もあるでしょう。

「結果を出さなくてはいけない」という思い込み、周りの目、プレッシャー、などなど、要因はいろんなところに隠れています。

高校球児だった頃は、まわりがイップスで苦しんでいるのをみていましたし、自分自身も一年生のころは慣れないプレッシャーからイップス気味になってしまうこともありました。

一旦イップスになってしまうと、放置では完治が難しく、野球生活を棒にふってしまうことになってしまうかもしれません。

イップスにならない・させないために、イップスを起こす原因を知って、対処できるようになるべきです。

また、現在イップスの自覚症状がある人は、その原因を知ることで状況を分析してみてください。

自分を客観的に見直すことで、解決の糸口が見つかる可能性もあります。

目次

それは「心理的なプレッシャー」から発症する

今まで何も考えずにできていたことが、ある日急にできなくなる」というのがイップスの代表的な症状のひとつです。

何気なく行っていた動作を、ある日ふと意識してしまって、「あれ、これどうやってやるんだっけ?」と、いつもの動きを思い出せない状態になってしまいます。

きっかけは心理的なプレッシャーであることがほとんど。

「失敗してはいけない」と考えてしまったことがきっかけで、慎重になってしまい、ふだん無意識で行っている自分の動きを意識してしまいます。

そして最悪なのが、その状態で失敗を経験してしまうこと。

失敗はトラウマとなり、同じ場面にあうたびに、再び同じ失敗をするんじゃないかという「不安」を抱えてしまうようになります。

その不安がプレーをジャマし、動きをこわばらせます。

このこわばった状態がイップス。

メンタル的には何も問題ないはずなのに、緊張していないのに、ボールがやけに指に引っかかったり、といったことがあります。

私もバッティングピッチャーをしていたとき、先輩にぶつけてしまって、しばらく「バッティングピッチャーのとき」だけまともにボールが投げられなくなりました。

頑張って投げようとしても、ボールはホームベースの数メートル手前に落ちる……といった状態でした。

「またぶつけてしまったらどうしよう……」という不安が頭にこびりついて、どうやっても忘れられなくなってしまったのです。

いちおう克服はできましたが、いまだに思い出すと微妙な気分になってしまいます…。

▼イップスのきっかけは心理的なプレッシャー

▼イップスになると動きがこわばる、例えばボールを投げるときなどは目標の数メートル手前でバウンドさせてしまう(腕が縮こまってうまく振れないため)

イップスは「中途半端な距離」で発症する

イップスに悩んでいる人も、開き直って全力で投げてみたりすると案外投げられます。

また逆に、ごく近い距離でもコントロールを乱すことなく投げられるでしょう。

これは、「イップスは力のコントロールが必要な、中途半端な距離で発症しやすい」という特性によるものです。

この距離には個人差がありますが、たとえば塁間ぐらいがそれにあたるでしょう。

イップスを発症した内野手が外野手にコンバートして成功した、という話はプロでも実例があります。

イップスならコンバートしよう、というわけではありませんが、「最終手段」として頭に入れておいて損はないかと思います。

▼イップスは中途半端な力加減で起こりやすい。例えば塁間ぐらいの距離を投げるときなど

自分の動作を確認してみる

たとえば、イップスを防ぐために、「動作を一つ一つ自分で認識してみる」という方法があります。

「ボールを投げよう」と思えば、とくに何も考えなくても10メートル先の相手に投げることができるかと思います。

そのとき、自分の手の動きを実際に目で観察してみるのです。

だいたいで構いません。イップスのときは自分の腕が自分の物ではないような感覚がしてくるので、目で見て確認することで、不安を解消できることがあります。

グローブの位置、足の位置なんかも実際に目で見て確認してみましょう。

イップスではなくても、自分がいつもどんな動きでボールを投げているのかを理解すると、ひょんなことで「いつも」を見失ったときにも、再現しやすくなります。


 

とくに「センス」のある選手は自分の動作をいちいち確認しなくてもうまく動けてしまいます。

なのでいざスランプになってしまうと以前の動作が思い出せず、なかなかそこから抜け出せないことも多くあります。

「こうやって動いているのか」と自分の中で動作を確認しておけば、長いスランプを経験することも少なくなるでしょう。

「メンタルが弱いから」ではない

イップスになるのは、必ずしも「メンタルが弱いから」ではありません。

むしろ「責任感が強い」「期待に応えたい思いが強い」など、野球に対する真面目さからイップスになってしまう選手の方が多くいるのです。

なのでイップスを自覚しても決して、「メンタルが弱いからイップスになんてなるんだ…」と、自分を責めないでくださいね。

正しく意識づけをすることができれば治るものなので、イップスを克服し、「こうすれば治るんだ!」と自分の糧にしてしまいましょう!

 

イップスの詳しい克服方法については、次回の記事で取り扱おうと思っています。

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